東京

東京の片隅 あなたを待ち ふたり連れだち 夜を遊ぶ
欲望の黒革と背広 そう 俺もまた その端くれと
あなたは知ってる "生きる糧"と細い手が言う
全部それでいいんだ 少し 任されていたいんだ

しんどい駆け引きと芝居は いつ終わるとも分からぬままに
カタコトの日本語で世辞を吐く とめどなく涙こぼれる
俺は知ってる 助けることなどできないと
ハチタンが傾く "龍宮へようこそ" 胸にこもる

人は ときに優しく ときに厳しく あなたを囲う 俺をおそう
清らかじゃない けがれてもない 懸命に這う あなたを守りたい

路地裏にいつもの姿を待ち ときはただ経ち 夜を運ぶ
あなたの好きな店の中に 今日 22のロウソクは点かず
何かが変わってく 助けることなどできやしない
金色の宝石 あなたへの贈りモノ 届くことはなく

街は ときに優しく ときに厳しく あなたを囲う 俺をおそう
ふるさとと呼ぶ むなしく響く 魔物をさそう サイレンが鳴る
ときに眩しく あなたを囲う 足がすくむ
なくしたメモは くずかごの奥 あなたは遠く 異国を離れる

サイレンが鳴る あなたを守れない ふるさとへ... あなたは遠く 異国を離れる